日記

人々が寝静まった後になってようやく分かることがある。人は孤独でも幸福になることが出来る。昼の陽射しや喧騒の中では気付けない。勿論、昼日中にしか理解出来ないこともある。しかし、風の柔らかさとか月の輝きに支えられた真実というものが確かに存在する。それ故に時間は偉大だと僕は思う。自分に何が足りてないのか、若しくは過剰なのか。逡巡は止め処なく、潮の満ち引きのようでもある。過去に戻れないことを嘆く必要はなく、砕かれた心を抱いて進むことでまた心の破片が輝き始める。その輝きは悲しみを伴った夜の静けさにも似ていて、僕はここで祈りを捧げながら朝を待とうと思う。